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あがり症の治し方:緊張で声が震えるときの対処法と2週間プラン

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結論

あがり症(人前で話すときの強い緊張)は、アドレナリンで心拍と呼吸が速くなり、口が乾き、声まわりの筋肉がこわばる自然なストレス反応で、声が震えるのもそのためです。治し方の基本は、緊張を消すことではなく扱うことです。息を長く吐き、「落ち着こう」ではなく「ワクワクしている」と言い換え、最初の一文を暗記し、少しずつ大きな場で話します。仕事や生活の場面を避けるほどなら心療内科や精神科で相談でき、社交不安症には認知行動療法がよく使われます。

目次 (8)
  1. あがり症とは?人前で話すのが怖いのは普通のこと
  2. 緊張すると体で何が起きているのか
  3. 人前で話すと声が震えるのはなぜ?
  4. 人前で話すときに緊張しない方法はある?
  5. 声が震えたときの応急処置
  6. あがり症を自力で克服する2週間プラン
  7. あがり症を悪化させる習慣
  8. 緊張以上のものかもしれないとき

発表の前に心臓がバクバクして声が揺れるのは、話すのが下手だからではありません。体が大事な場面に備えている反応で、戦うのではなく、うまく付き合う方法を身につけることができます。

あがり症とは?人前で話すのが怖いのは普通のこと

あがり症とは人前で話すときに強い不安を感じる状態の通称で、その治し方の基本は、緊張を消すことではなく扱えるようにすることです。不安は話す前や最中、ときには何日も前から現れますが、ほとんどの人にとっては病気ではなく、ごく普通のストレス反応です。問題になるのは、本当はやりたいことを避けるようになったときです。

人前で話すことは、最もよく挙げられる「怖いもの」の一つです。米国の大学生815人の調査では、怖いものとして選ばれた数は、死を含むリストのどの項目よりも人前で話すことが多い一方、いちばん怖いものを一つ選ぶ質問では死が1位でした(Dwyer and Davidson, 2012, Communication Research Reports)。「人は死ぬより人前で話すのが怖い」という話は半分だけ本当で、より多くの人が怖がるものではあっても、より怖いものではないということです。

緊張すると体で何が起きているのか

脳が状況を脅威と判断すると、人からどう評価されるかという社会的な脅威でも、ストレス反応が起きます。アドレナリンが出て、心拍が上がり、呼吸が速くなります(Harvard Health Publishing)。これは落ち着いて話すためではなく、逃げるための準備なので、いくつもの副作用が同時に来ます。

気づくこと起きていることすぐできる対処
心臓がバクバクするアドレナリンで心拍が上がる長く吐く呼吸:4カウント吸って6カウント吐く
息が浅く速い呼吸が速くなり、胸だけで吸う話す前にお腹まで低く吸う
口が乾くストレスで唾液が減る常温の水を前と途中で少しずつ
声が震える息の流れが不安定、のどとあごが緊張ゆっくり、短い文、句点ごとに息を吸う
手が震える筋肉が動く準備をしているメモのカードを持ち、両足を床につける
頭が真っ白になる注意が脅威だけに狭まるキーワードのカードと暗記した最初の一文

人前で話すと声が震えるのはなぜ?

声は、決まった張りに保たれた声帯を息が通ることで生まれます。ストレスで呼吸が速く浅くなると息の供給が不安定になり、同時に首、あご、のどの筋肉がこわばります。不安定な息とこわばった筋肉が重なると、声が揺れ、裏返り、だんだん上ずっていきます。

ここから対処法も見えてきます。アドレナリンを止めることはできませんが、息は安定させられます。長く吐き、一文ごとに低く吸い、息が足りなくならない短さで区切ることです。安定した息に支えられた声は、緊張を感じていてもずっと震えにくくなります。

人前で話すときに緊張しない方法はある?

緊張をゼロにする方法はありませんし、目指す必要もありません。目標は、緊張していても話せる状態をつくることです。次の4つの方法で体の反応を落ち着かせ、受け止め方を変え、怖い場面を準備し、後半の2週間プランで少しずつ慣れていきます。

方法1:息を長く吐く

ゆっくりした呼吸は、体を落ち着かせる手軽な方法の中でも根拠のあるものの一つです。1分間に10回未満のゆっくりした呼吸法を調べたシステマティックレビューでは、健康な大人でリラックス感が増し、覚醒と不安が下がることと関連していました(Zaccaro et al., 2018, Frontiers in Human Neuroscience)。

席や舞台袖で2分間やってみてください。

  1. 鼻から4カウントで吸い、お腹をふくらませます。
  2. 熱いスープを冷ますように、軽くすぼめた唇から6カウントで吐きます。
  3. 12回くり返します。1回10秒なので、1分間に6回の呼吸です。

方法2:「ワクワクしている」と言い換える

心臓がバクバクしているときに落ち着こうとしても、体の状態とかけ離れているのでうまくいきません。興奮と不安は体の感覚が似ているので、言い換えのほうが簡単です。カラオケ、スピーチ、計算の課題を使った実験では、「ワクワクしている」と声に出して不安を興奮と捉え直した人は、落ち着こうとした人より興奮を感じ、成績も良くなりました(Brooks, 2014, Journal of Experimental Psychology: General)。

話す前に「ワクワクしてきた」と2〜3回、声に出すか小さくつぶやきます。落ち着きを追いかけず、速い鼓動を話すためのエネルギーとして扱いましょう。

方法3:緊張はほとんど見えていないと知る

緊張している人ほど、自分の不安は周りに丸見えだと思い込みます。実際はそうではありません。人は自分の内面が他人に読み取られている程度を過大に見積もりがちで、これを「透明性の錯覚」と呼びます。スピーチ不安の実験では、即興スピーチの前にこの錯覚について説明を受けた人は、自分のスピーチを良く感じただけでなく、観察者からの評価も高くなりました(Savitsky and Gilovich, 2003, Journal of Experimental Social Psychology)。

ですから、「緊張しておりまして、お聞き苦しい点があるかと思いますが」と前置きするのはやめましょう。聞き手の多くは気づいておらず、言わなければ気づかないままです。

方法4:怖い場面を先に準備しておく

不安が高まる場面は予測できます。最初の一言、話題の切り替え、頭が真っ白になりそうな瞬間です。その場面だけを先に準備しておくと、不安を大きくしている「何が起きるかわからない」がほとんど消えます。

  • 最初の一文を暗記する。 アドレナリンは話し始めに最も高まります。出だしは一言一句覚え、前日に10回声に出して言います。
  • 原稿ではなくキーワードのカードを使う。 原稿があると読んでしまいます。キーワード5〜7個のカードなら話の筋を保てて、目のやり場にもなります。
  • 立て直しの一言を決めておく。 「要点に戻りますね」など、真っ白になったときに言う言葉を決め、カードを見ます。
  • 声に出してリハーサルする。 構成、リハーサル、本番前10分のルーティンは人前で話すのが苦手な人のためのコツにまとめています。

声が震えたときの応急処置

本番直前や話している途中で声が震え始めたら、順に試してください。最初の3つは袖で1分以内に、残りの3つは話しながらできます。

  1. 息を吐き切る(10秒)。 長い「スー」でゆっくり肺を空にし、次の息が自然にお腹へ入るのを待ちます。
  2. 肩とあごを落とす(10秒)。 首とあごのこわばりが震えを強めます。あごをだらんとさせ、肩をストンと落とします。
  3. 低めにハミング(20秒)。 楽な中低音で「んー」と長く2呼吸ぶんハミングし、話す前に声を動かしておきます。5〜10分あるなら、しっかりした発声練習のほうが効果的です。
  4. 速さを3分の1落とす。 急ぐと文の途中で息が足りなくなり、ちょうどそこで声が揺れます。ペースの練習は早口を治す方法を参考にしてください。
  5. 少しだけ大きく話す。 のどで押すのではなくお腹で支えて声量を少し上げると、息の流れが安定し、声もたいてい安定します。
  6. 句点ごとに息を吸う。 文を短くし、文と文の間で素早く低く吸います。長い文を残りわずかな息で言い切ろうとしないことです。

あがり症を自力で克服する2週間プラン

避けることは恐怖を生かし続け、扱える範囲でくり返し向き合うことは恐怖を小さくします。怖い場面に小さな段階で向き合い、不安が下がり始めるまでその場にとどまり、次の段階に進みます。どの課題も「少し怖いけれどできる」くらいが適切です。

日課題時間
1今日の出来事を1分話して録音し、一度だけ聞く5分
2立って文章を1段落音読し、録音する5分
3好きな話題で2分話し、スマホで撮影する10分
4会議、授業、オンライン会議の前半で一度発言する1分
52分の話を友人か家族一人に聞いてもらう10分
6会議、講演、イベントで質問を一つする1分
7休むか、3日目の動画を見直して良かった点を一つ書く5分
82人以上の前で3分話す10分
9朝礼や定例会議で短い報告を自分から引き受ける2分
10メモなしで3分話し、撮影する10分
11ランチや飲み会で、グループに短いエピソードを話す2分
12実際の発表を一人の前でリハーサルする15分
13本番の部屋かオンライン会議の環境で通し練習する20分
14少人数の前で5分話し、録音する15分

各課題の前後に、不安を0〜10で採点します。課題が難しくなっても、2週間で「前」の点数が下がっていけば順調です。英語で話す課題なら Voceris で録音すると、安定感とペースのスコアで、気持ちの点数と一緒に声が落ち着いてきたかを客観的に確かめられます。Voceris は英語の話し声を分析するアプリなので、英語の発表や面接を控えている人に向いています。

あがり症を悪化させる習慣

その場では安心できても、恐怖を長引かせる対処法があります。脳に「やっぱり話すのは危険だった」と教えてしまうからです。

  • 話す機会をすべて避ける。 避けるたびに恐怖が強化されます。
  • 原稿を全部読む。 視線が合わず、読む場所を見失うことが大惨事に感じられます。
  • 緊張していると謝る。 聞き手が気づいていなかった一点に注目を集めます。
  • 頭の中だけでリハーサルする。 息と声が試されないままです。
  • 直前にコーヒーを追加する。 カフェインがアドレナリンの上に震えを足すことがあります。

緊張を扱えるようになったら、次は言葉に確信を持たせる段階です。ペース、間、語尾については自信のある話し方で解説しています。

緊張以上のものかもしれないとき

多くの人にとって、人前で話す緊張はつらくても練習で扱えるものです。恐怖がとても強い、何か月も続く、仕事や学校、人づきあいを避けるようになっている場合は、社交不安症という、認められた治療可能な状態の一部かもしれません。

英国の国民保健サービス(NHS)は、社交不安症かもしれないと思ったらかかりつけ医に相談するよう勧め、認知行動療法(CBT)が一般に最も良い治療と考えられているとしています(NHS)。日本では心療内科や精神科が相談先になります。薬が気になる場合も、通販や個人輸入に頼らず医師に相談してください。パニック発作がある、気分の落ち込みを伴うといった場合も受診しましょう。この記事の練習は専門家のサポートと並行して使えますが、その代わりにはなりません。

よくある質問

あがり症とは何ですか?

人前で話す、注目されるといった場面で強く緊張する状態の通称で、それ自体は病名ではありません。ただし、強い不安が長く続き、その場面を避けるようになっている場合は社交不安症の一部のこともあり、医師に評価してもらえます。

緊張すると声が震えるのはなぜですか?

アドレナリンで呼吸が速く浅くなり、声のもとになる息の流れが不安定になるうえ、首、あご、のどの筋肉がこわばるからです。息を長く吐く、句点ごとに息を吸う、短い文で話すと、たいてい震えは落ち着きます。

人前で話すのが怖いのは珍しいことですか?

とてもよくあることです。米国の大学生815人の調査では、リストの中で「怖いもの」として選ばれた数は、死を含むどの項目よりも人前で話すことが多い結果でした。ただし、いちばん怖いものを一つ選ぶ質問では死が上回りました。

緊張は聞き手にどのくらい伝わっていますか?

本人が思うよりずっと少ないのが普通です。人は自分の内面が他人に見えている程度を過大に見積もる傾向があり、これは「透明性の錯覚」と呼ばれます。聞き手の多くは、あなたが感じている緊張のごく一部しか気づいていません。

あがり症は自力で治せますか?

多くの人は、数週間の段階的な練習で人前で話すことがかなり楽になります。大事な場面の前の緊張は完全にはなくならないことが多く、なくす必要もありません。生活に支障が出るほど強いなら、一人で抱えず専門家に相談しましょう。

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