早口を治す方法:ゆっくり話すための8つの練習と7日間プラン
早口を治すには、言葉そのものを遅くする前に「間」を増やすのが近道です。句点ごとに止まり、一息で一つの内容だけを言い、文の最後の言葉を言い切りましょう。早口の原因の多くは緊張、考えが口より先に進むこと、習慣で、1日5〜10分、録音しながら1分300字前後の目安で原稿を読む練習などを続けると改善します。よく聞き返される、文の途中で息が切れる、語尾が消えるなら、速すぎる可能性が高いです。
自分は早口?チェックの目安
よく聞き返される、文の途中で息が切れる、文の終わりが消えてしまう、という人は早口の可能性が高いです。発表の練習で予定時間よりかなり早く終わる場合も、強いサインです。電話やオンライン会議、日本語を学んでいる相手と話す場面では、さらに聞き取りにくくなります。
ほかにも次のようなサインがあります。
- 息継ぎのためにしか止まらず、要点を届けるための間がない。
- 助詞や語尾が消え、言葉がくっついて聞こえる。
- 話し終わると息が上がり、何を話したかよく覚えていない。
- 好きな話題になると、自分でも止まらないほど速くなる。
客観的に確かめるには、300字ほどの原稿を読んで時間を測りましょう。下の表は、ニュース読みでよく目安にされる1分300字を基準にした大まかな目安で、測定された基準ではありません。
| 1分あたりの字数(原稿の場合) | 聞こえ方の目安 |
|---|---|
| 250字未満 | ゆっくり。ためらいや疲れに聞こえることも |
| 250〜300字 | 落ち着いて聞き取りやすい。大事な話に向く |
| 300字前後 | ニュース読みに近い標準的な速さ |
| 350字以上 | 速く元気。短い間ならよいが、続くと聞き疲れ |
| 400字以上 | 急いで聞こえ、言葉を取りこぼされやすい |
場面ごとの目安やスピーチの文字数は話すスピードの目安にまとめています。英語でも話す人は、無料の話す速さテスト(英語用)で1分あたりの単語数と間の回数を測れます。
なぜ早口になる?4つの原因
早口の原因の多くは、緊張、考えが口より先に進むこと、育った環境や習慣、話題への興奮の4つです。どれが自分の原因かで、始めるべき練習が変わります。緊張による早口と、楽しくて速くなる早口では、対処が違うからです。
- 緊張。 アドレナリンで呼吸も話す速さも上がり、早く終わらせたい気持ちが働きます。沈黙は聞き手より話し手にとってずっと長く感じるので、間が怖くなります。当てはまる人は、人前で話す緊張を克服する方法も合わせて読んでください。
- 頭が先に行く。 頭はもう3文先にあり、口が急いで追いかけます。頭の回転が速い人や、よく知っている内容を説明するときによく起こります。
- 環境と習慣。 にぎやかな家庭で育った、発言の機会を取り合う会議に慣れている、という人は、割り込まれないために速く話す癖がつきます。その癖が、誰も割り込まない場面にもついてきます。
- 興奮と熱量。 好きな話題では誰でも速くなります。ADHDのある人などで、考えが次々にあふれて速い話し方になると話す人もいますが、原因が何であれ、下の練習は役に立ちます。
相手によっても変わります。英語の電話会話の研究では、家族や友人より見知らぬ相手と話すときのほうがゆっくり話す傾向が見られました。食卓ではちょうどいい速さが、取引先との電話では速すぎることがあるのです。
ゆっくり話すための8つの練習
ゆっくり話すコツは、一語一語を引き延ばすことではなく、間と区切りを増やすことです。1日5〜10分、2〜3種類を選んで録音しながら行いましょう。自分では遅すぎるように感じても、録音で聞くとまったく普通に聞こえるものです。
- 句読点で間を取る(3分)。 記事の段落を選び、読点に斜線を1本、句点に2本書き込みます。読点で1拍、句点で2拍止まって息を吸いながら音読します。早口の人の多くは、この練習だけで問題の半分が解決します。
- 一息で一つの内容(3分)。 息を吸い、15〜25字ほどのフレーズを一つ言って止まります。また吸って、次のフレーズへ。最初は文章で、次に今日の出来事を声に出して説明しながら行います。だらだら続く長い文が、聞き手が追える短い単位に変わります。
- メトロノームと目標ペースの音読(3分)。 無料のメトロノームアプリを100〜120に設定し、1拍に1文節(「わたしは/きのう/えきで」)を30秒言います。ロボットのように感じるのが狙いです。次に止めて、300字ほどの原稿を1分前後で読むことを目指します。
- 大事な言葉を立てる(2分)。 各文でいちばん大事な言葉を一つ選び、少し長く、少し高く、少し大きく言います。「報告書は、金曜日までにお願いします」なら「金曜日」です。大事な言葉を伸ばすと、残りを引きずらずに文全体が自然に落ち着きます。
- 数字と名前の前で間(2分、10文)。 数字や名前の入った文を10個つくり、その直前に1拍の間を入れます。「来年度の予算は……4,000万円です」「ご紹介します……田中さんです」。早口の人が聞き手を置いていきやすいのが、数字の部分です。
- 語尾を言い切る(2分)。 「〜です」「〜ました」の最後まで、声の高さを下げながらきちんと言ってから止まります。語尾が消えるのは早口のいちばん目立つ症状で、言い切ると自然に間も生まれます。
- 会話のペース(1日3回の会話で)。 その日の電話や雑談で、次のうち1〜2個を試します。質問に答える前に一息吸う、相手が言い終えてから1拍置く、相手より速くならないよう相手の速さに合わせる、「で、えーと」と続けず句点で話を終える。
- 録音して比べる(3分、週2回)。 仕事や週末について60秒自由に話して録音し、字数を数えるか、英語なら話す速さテストで測ります。数字を書き留め、消えた語尾がないか聞き返し、毎週初回の録音と比べます。
緊張すると早口になるときの対処法
緊張しているときは、話全体ではなく最初の30秒だけに集中しましょう。ゆっくり始めて最初の一文のあとに間を取れば、呼吸が落ち着き、残りもそのペースについてきます。出だしで急ぐと逆のことが起こります。
- 先に息を吐く。 話し始める前に、ゆっくり吸って、それより長く吐きます。深く吸うより長く吐くほうが、体は早く落ち着きます。
- 最初の2文は覚えておく。 間の位置まで決めておけば、考えながら全速力で話す状態を避けられます。
- 体を使った区切り。 一文を言い終えるまで一人の顔を見る、話題の切れ目で水を一口飲む。どちらも自然な間になります。
- 沈黙は長く感じるものと知っておく。 自分には永遠に感じる2秒の間も、聞き手には考え深く聞こえます。
急がない話し方は、自信のある印象の大部分を占めます。息の支えから語尾の下げ方まで、残りの半分は自信のある話し方で解説しています。
早口を治す7日間プラン
7日で一生の癖は変わりませんが、出発点を測り、基本の練習を覚え、録音で違いに気づくには十分です。1日5〜10分行い、最後にいちばん効いた2つの練習を残しましょう。
| 日 | テーマ | やること |
|---|---|---|
| 1 | 現状把握 | 300字の原稿を読んで時間を測り、60秒の自由な話を録音。数字を記録 |
| 2 | 間 | 句読点で間を取る練習と語尾の言い切りを各5分 |
| 3 | 区切り | 一息で一つの内容を、文章で、次に1分の出来事の説明で |
| 4 | ペース | メトロノーム30秒のあと、300字の原稿を1分前後で3回 |
| 5 | 強調 | 大事な言葉を立てる練習と数字の前の間を、実際の仕事の報告で |
| 6 | 実践 | 会話のペースの工夫を、実際の電話や雑談3回で |
| 7 | 再測定 | 1日目をくり返して比較。毎日続ける練習を2つ選ぶ |
最初の1週間のあとは、短く定期的に続けましょう。練習ではすぐにゆっくり話せても、会議や緊張する場面で自然に出るまでには、さらに数週間かかります。英語で話す機会がある人は、Voceris で録音ごとにペースと間を別々にスコアにし、ペースの練習を含む毎日のプランを組めます。Voceris は英語の話し声を分析するアプリなので、英語の会議や面接、プレゼンの準備に向いています。
ゆっくりにしすぎない
目標は、いつもゆっくり話すことではありません。ずっと同じ遅さだと、ためらっている、疲れている、相手を見下しているように聞こえることもあります。聞き手にとって心地よいのは変化です。ほどよい平均の速さにはっきりした間があり、要点ではゆっくり、よく知られた内容では少し速く進む話し方です。
速さと同じくらい大切なのが明瞭さです。言葉がはっきりして間が正しい位置にあれば、速めのペースでも聞きやすく、もごもごしていれば、ゆっくりでも聞き手は疲れます。滑舌を良くする方法の練習は、この記事の練習と相性がいいです。ゆっくり話すと空いたすき間を「えーと」で埋めてしまう人は、「えーと」「あのー」の口癖を直す方法を参考にしてください。
早口が癖以上のものであるとき
多くの人にとって、早口は練習で変わる習慣です。まれに、クラタリング(早口言語症)という流暢性の障害の一部であることがあります。米国言語聴覚協会(ASHA)は、話す速さが異常に速い、または不規則に感じられる状態と説明しており、間の取り方が不規則、言いよどみが多い、言葉がつながって聞こえるといった特徴を伴うことがよくあります。
ゆっくり話そうとしても人に理解されないことが多い、繰り返しや言葉の詰まりも多い、仕事や人間関係に影響している、という場合は言語聴覚士に相談してください。話す速さや明瞭さが急に変わったときは、すぐに医療機関を受診してください。
よくある質問
緊張すると早口になるのはなぜですか?
緊張するとアドレナリンで呼吸が速くなり、早く終わらせたい気持ちも働いて、すべてが速くなります。しかも沈黙は聞き手より話し手にとってずっと長く感じるので、間を取るのが怖くなります。落ち着いているときに間の練習をしておくと、本番でも使いやすくなります。
早口をすぐに直すコツはありますか?
句点ごとに止まって静かに息を吸うことと、文の最後の言葉まで言い切ることです。この2つだけで、一つひとつの言葉を引き延ばさなくても、全体の速さがはっきり落ち着きます。
ちょうどいい話すスピードはどのくらいですか?
日本語では、ニュースを読むアナウンサーで1分間に300字前後がよく目安にされ、プレゼンやスピーチもその前後で考えるのが一般的です。平均の速さより、要点の前後で速さを変え、間を取ることのほうが大切です。
早口はどのくらいで治りますか?
毎日練習すれば、多くの人は1週間ほどで練習中はゆっくり話せるようになります。普段の会話や緊張する場面で自然に出るようになるには、さらに数週間の継続が必要です。
早口が病気ということはありますか?
多くは習慣です。まれに、話す速さが異常に速いか不規則に感じられ、聞き取りにくくなる「クラタリング(早口言語症)」という流暢性の障害のことがあります。ゆっくり話そうとしても続かず、人によく理解されない場合は、言語聴覚士に相談してください。
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