ボーカルフライ(エッジボイス)とは:原因と話し声での直し方
ボーカルフライ(話し声でのエッジボイス)は、息と声量が足りなくなったとき、特に文末に出やすい、低くジリジリした発声です。話し言葉では普通に起こるもので病気ではありませんが、多すぎると疲れている、やる気がないように聞こえることがあります。息をしっかり支え、最後の一語まで声量を保ち、きしみではなく息にのせて文を終えると減らせます。
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ボーカルフライ(エッジボイス)とは?
ボーカルフライは、クリーキーボイスとも呼ばれる、声のいちばん低い声区です。声帯がゆるみ、ゆっくり不規則に振動するときに出る、ジリジリ、プツプツした音のことです。長い息の終わりに「あー」とため息をつき、声を低く消していくと聞こえます。消える直前に、音がきしみに変わります。歌の世界でいうエッジボイスと同じ発声を指すことが多く、歌では表現として意図的に使われますが、ここでは話し声に出る場合を扱います。
ボーカルフライは話し言葉の普通の一部で、声の病気ではありません。ほとんどの人が、特に文のいちばん最後で少しは使っています。英語をはじめ多くの言語で、発話の終わりの軽いきしみは、考えが終わったことを示すごく自然な合図です。目立つようになるのは、話している内容の大部分にそれが広がったときです。
ボーカルフライの原因
ボーカルフライは、たいてい「少ない息」「小さい声量」「低い高さ」が同時に重なったときに出ます。よくある原因は次のとおりです。
- 息切れ。 長い文をひと息で話すと、最後の言葉にはほとんど息が残りません。
- 尻すぼみ。 文末で声量を落とすと、声がいちばん低い声区に落ちていきます。
- 音程を押し下げる。 低く、まじめに聞こえるように、楽な音域より下に声を押し込む。
- エネルギー不足。 疲れ、朝いちばん、くだけた雑談はどれもボーカルフライを招きます。
- 習慣と真似。 ボーカルフライは一部のグループやポッドキャストでよく聞かれるので、無意識に身につくことがあります。
ボーカルフライが気になるのはどんなとき?
大切な場面で、相手の受け取り方を変えてしまうときです。友人との気軽な電話ではまず問題になりません。面接、プレゼン、商談、ポッドキャスト、好印象を残したい相手への音声メッセージでは、ボーカルフライが多いと、疲れている、退屈している、自信がないように聞こえることがあり、周りが騒がしいと聞き取りにくくもなります。
聞き手の反応を調べた研究もあります。2014年の研究では、若い成人が同じ文をボーカルフライあり・なしで話した録音を聞いてもらったところ、ボーカルフライありのほうが、有能さ、教養、信頼性、魅力、採用したいかの評価で低くなり、その差は女性の声でより大きくなりました(Anderson, Klofstad, Mayew, Venkatachalam, 2014, PLOS ONE、英語)。アメリカ人の聞き手による一つの知覚研究なので、実際の採用結果を示すものではなく、女性の声への偏見も測定結果の一部です。それでも、ボーカルフライに反応する聞き手がいることは確かで、大事な場面では減らしたいと考えるのは自然なことです。
自分のボーカルフライが多いか確かめる
文章を1段落音読した録音と、1分間自由に話した録音をとり、イヤホンで聞きます。声がジリジリ、プツプツしたところすべてに印をつけてください。特に注目したいのは次の3つです。
- 各文の最後の2〜3語
- 声が小さくなる場面や、くだけた場面
- 考えながら話している答え
ほとんどの文末、あるいは文の途中でもボーカルフライが聞こえるなら、取り組む価値があります。
ボーカルフライを減らす6つの練習
1日5〜10分練習しましょう。目標はボーカルフライを完全になくすことではなく、普段の声に取って代わらないようにすることです。
- 低い呼吸、長い吐く息(2分)。 お腹と下の肋骨が広がるように鼻から息を吸い、楽に続くところまで一定の「スー」で吐きます。5回繰り返します。ボーカルフライは息が足りなくなると始まるので、安定した息の流れを育てます。
- 「スー」から言葉へ(2分、8回)。 やさしく「スー」と息を出し、その流れを止めずに「そうですね、日曜日に会いましょう」のような短いフレーズを言います。途切れない息が、声がきしみに崩れるのを防ぎます。
- フレーズごとに息を吸って音読(3分)。 文章の20〜30字ごとに息継ぎの印をつけます。必要ないと感じても、印のところで毎回すばやく低い息を吸いながら読みます。息が空っぽのまま話す癖を断ち切ります。
- 最後の言葉を持ち上げる(2分、10文)。 最後の言葉を、最初の言葉と同じ声量に保って文を読みます。音程を上げて質問のようにするのではなく、エネルギーと息を最後までのせるだけです。最初は大げさに、だんだん自然にしていきます。
- サイレン(1分)。 「ング」の響きか、唇をブルブル震わせるリップロールで、低い音から高い音へ、そしてまた低い音へなめらかにすべらせます。きしむいちばん下には入らないようにします。楽な低い音も、なめらかではっきり出せることを声に思い出させます。
- 下限チェック(1分)。 「いち、に、さん」と言いながら、少しずつ高さを下げ、最初にきしみが聞こえたところから2〜3段階戻ります。きしみのすぐ上のその高さが、話し声で下回らないようにする下限です。
直すときによくある失敗
声を高くしすぎる。 ボーカルフライを避けようとして高い声で話すと、苦しそうに、あるいはつくったように聞こえます。必要なのはきしみの上にとどまることだけで、別の声に変えることではありません。
語尾を質問のように上げる。 最後の言葉の音程を上げると語尾上げになります。語尾は下げたまま、息で支えましょう。下降の抑揚については自信のある話し方で解説しています。
のどで声量を押し出す。 のどを締めて大きくすると、声が緊張して疲れます。声量は息から生み出し、のどはリラックスさせておきます。通る声の練習は声を大きくする方法で紹介しています。
ボーカルフライで低さを求める。 低い声をめざすなら、響きに取り組みましょう。声を低くする方法を参照してください。
どのくらいで直る?
多くの人は、最初の1週間で、意識すればきれいな語尾を出せるようになります。普段の会話で自然にできるようになるには、短い練習を毎日続けて数週間かかるのが普通で、とても疲れているときにボーカルフライが戻るのも自然なことです。
練習の効果を数値で追いたい人には、Voceris が9つの指標の一つとしてボーカルフライを0〜100でスコア化するので、練習で本当に減っているかを確かめられます。Voceris は英語の話し声を分析するアプリなので、英語の面接や会議、ポッドキャストで語尾のジリジリを減らしたい人に向いています。
耳鼻咽喉科や言語聴覚士に相談したほうがいいとき
ボーカルフライそのものは心配いりません。ただし、次のような場合は耳鼻咽喉科の医師か言語聴覚士に相談してください。
- 声がれやガラガラ声が2〜3週間以上続く
- 話すときや飲み込むときに痛みや違和感がある
- よく声が出なくなる、毎日すぐに声が疲れる
- はっきりした理由なく、急に声が変わった
- 意識しても、きしまずに話すことができない
これらにはきちんとした診察が必要な原因が隠れていることがあり、声の専門家と取り組むことで改善できる声のトラブルも多くあります。
ボーカルフライが、平板でエネルギーの低い話し方の一部になっている場合は、抑揚のない話し方を改善する方法の練習が次のステップにおすすめです。
よくある質問
ボーカルフライはのどに悪いですか?
ボーカルフライは多くの人がときどき使う普通の声区で、たまに出る程度なら医学的な問題ではありません。声がよく疲れる、イガイガする、声がれが2〜3週間以上続く場合は、ボーカルフライのせいと決めつけず、耳鼻咽喉科か言語聴覚士に相談してください。
文末の声がジリジリ、かすれるのはなぜですか?
多くの人は文の終わりで息が少なくなり、声量と高さが一緒に下がって、いちばん低くきしんだ声区に落ちてしまいます。息が尽きる前に吸い、最後の言葉に少し声量を残すと、たいてい直ります。
ボーカルフライとエッジボイスは同じですか?
どちらも、声帯がゆっくり不規則に振動する、いちばん低い声区の発声を指すことが多い言葉です。歌の分野ではエッジボイス、英語圏や言語学ではボーカルフライ(vocal fry)やクリーキーボイスと呼ばれます。歌では表現技法として使われることもありますが、この記事は話し声の話です。
ボーカルフライは女性だけの話し方ですか?
いいえ。性別に関係なく使われます。主に若い女性の話し方として話題になり、少なくとも一つの研究では女性の声のほうが厳しく評価されていましたが、この癖自体は話し手全体に広く見られます。
ボーカルフライで声は低く聞こえますか?
録音では低く聞こえることもありますが、響きのある声ではなく、ゆるくきしんだ音です。豊かで低い声は、リラックスした息の支えと響きから生まれ、ボーカルフライに落とすことでは得られません。
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