抑揚のない話し方を改善する方法:棒読みを治す7つの練習
話し方に抑揚がないと感じられるのは、声の高さ、強調、スピード、声量がほとんど変わらず、すべての言葉が同じ重さで届くからです。各フレーズでいちばん大事な一語を立て、重要な部分で音程を動かし、速さに緩急をつけ、間を使えば改善できます。短い練習を毎日録音しながら続け、変化が自然に感じられるまで繰り返しましょう。
抑揚のない話し方とは?
抑揚のない話し方とは、言葉から言葉へほとんど何も変化しない話し方のことです。声の高さが狭い範囲にとどまり、どの言葉も同じ強さで、スピードは一定、意味のある間もほとんどありません。聞き手はどこが大事なのかを判断できず、注意がそれていきます。
原因として真っ先に挙がるのは声の高さですが、それは4つの要素の一つにすぎません。表現力のある人は、そのすべてを使っています。
| 要素 | 役割 | 抑揚がないとどうなるか |
|---|---|---|
| 声の高さ | 上がり下がりで関心、問いかけ、言い切りを示す | 狭い音域で、やや低く平らなまま |
| 強調 | 各フレーズの大事な一語を際立たせる | すべての言葉が同じ重さ |
| スピード | 要点でゆっくり、補足や列挙は速めに | ずっと同じ速さ |
| 間 | 考えを区切り、次の言葉への期待をつくる | 切れ目なく続くか、息継ぎの間しかない |
日本語は英語ほど強弱で言葉を際立たせる言語ではありませんが、大事な言葉を少し高く、少しゆっくり、少しはっきり言う「強調」は、日本語でも聞き手の注意を引きます。声量や声の質も彩りを加えますが、この4つが動き出せば、ほとんどの人は単調に聞こえなくなります。
なぜ抑揚がなくなるのか
抑揚のない話し方が生まれつきであることはまれです。会議では平板な人も、友人に面白い話をするときは声がよく動いています。よくある原因は次のとおりです。
- 緊張。 ストレスがかかると体がこわばり、声が「無難な」狭い範囲に縮こまります。
- 原稿の読み上げ。 スライドや原稿を読むと、考えながら話すときの自然な強調が消え、棒読みになります。
- エネルギー不足。 疲れや猫背で息の支えが弱まり、高さも声量も平らになります。
- 習慣。 淡々と話すほうが社会人らしい、と思って身につけた人もいます。
- 話し慣れた内容。 朝礼や定例会議で何十回も説明していることほど、関心がないように聞こえます。
抑揚をつける7つの練習
1日5〜10分、毎回録音しましょう。自分ではかなり大げさに感じる変化も、聞き返すと控えめに聞こえるものです。
- 一つの文、五つの意味(3分)。 「私は昨日、駅で田中さんに会いました。」を5回言い、そのたびに強調する言葉を変えます。「私は」(ほかの人ではなく)、「昨日」(今日ではなく)、「駅で」、「田中さんに」、「会いました」。強調の場所で意味が変わることを体で覚えます。
- キーワードに線を引く(3分)。 メールや記事の段落を選び、各文でいちばん大事な一語に線を引きます。音読するときは、その言葉だけ少し高く、少し長く、少し大きく言い、ほかはリラックスさせます。
- 音程のすべり台(1分、10回)。 「へえー」「おおー」で、本当に驚いたように低い音から高い音へ、そしてまた低い音へすべらせます。次に「ほんとに?」「まさか」でも同じことをします。使える音域を広げ、声が動けることを思い出させる練習です。
- 感情をこめて数える(2分)。 「いち」から「じゅう」まで、退屈そうに、わくわくして、疑うように、安心させるように数えます。感情は高さ、スピード、声量を一度に変えるので、平板な話し方の人にぴったりの練習です。
- 子どもに絵本を読む(3分)。 「桃太郎」などの昔話を、5歳の子に読み聞かせるつもりで音読します。思い切り大げさにしてかまいません。そのあと大人向けの文章を、そのエネルギーの3分の1くらいを残して読みます。
- 緩急のコントラスト(2分)。 列挙と結論を含む文章を読みます。列挙は少し速めに進み、結論の前ではっきりスピードを落として間を置きます。この差が、大事な部分を浮かび上がらせます。
- 要点の前の間(2分、5回)。 「結果は……売上20%増でした。」のように、肝心な情報の前で1拍しっかり止まります。間は期待をつくり、次の言葉を重要に感じさせます。
飾りではなく、気持ちをのせる
目標は文を歌うことではありません。意味と関係なく音程を動かすと演技っぽく聞こえ、単調さと同じくらい聞き手の気を散らします。意味に沿った抑揚は自然に聞こえます。
- 先に意味を考える。 大事な文の前に、聞き手にどう感じてほしいかを決めます。興味を持ってほしいのか、安心してほしいのか、気をつけてほしいのか。声はそれについてきます。
- 表情を使う。 笑顔、眉の動き、自然な身ぶりは、電話でも声の響きを変えます。
- 姿勢を正す。 息の支えが良くなると、声の音域とエネルギーが増えます。
- 一人に話しかける。 説明している相手を一人具体的に思い浮かべます。会場全体に向けて話すより、一人に向けて話すほうが声は自然に動きます。
抑揚と安定感はセットで
表現力があることと、声が不安定なことは違います。上手な話し手は、高さやスピードを変えながらも、息の支えを保ち、語尾をはっきり言い切ります。言い切りの文で語尾を下げることは引き続き大切です。詳しくは自信のある話し方を参照してください。エネルギーが落ちて文末がジリジリとかすれる人は、ボーカルフライ(エッジボイス)の直し方が役に立ちます。
上達の確かめ方
60秒の決まった文章を選び、週に1回録音します。聞くポイントは次のとおりです。
- 各文で、強調された一語がはっきり聞こえるか
- 大事な考えのところで、高さがはっきり動いているか
- 意図的にスピードを落として間を取る場所が、少なくとも1か所あるか
- 読んでいるのではなく、あなたが話しているように聞こえるか
最初の録音と最新の録音を、どちらがどちらか伝えずに友人に聞いてもらうのも良い確認方法です。
数値でフィードバックがほしい人には Voceris があります。録音ごとにペース、間、安定性をスコア化し、ペースや響きの練習を含む毎日のプランをつくるので、話し方が不安定にならずに豊かになっているかを確かめられます。Voceris は英語の話し声を分析するアプリなので、英語のプレゼンや会議で棒読みを直したい人に特に向いています。
習慣以上の原因があるとき
平板な話し方のほとんどは学習されたもので、練習で変えられます。ただし、声が急に平板になり、表情の乏しさや気分の落ち込みなど新しい症状を伴う場合は、まれに病気が関係していることがあります。思い当たる理由がないのに変化が起きたときは、医師に相談してください。病気が原因で声が変わった場合は、言語聴覚士の助けも得られます。
話し方を測ってくれるツールを比較したい人は、話し方トレーニングアプリおすすめ6選をご覧ください。
よくある質問
抑揚のない話し方になるのはなぜですか?
多くは緊張、原稿の読み上げ、疲れ、そして狭く無難な音域で話す習慣が原因です。生まれつきの特徴であることはまれで、友人に面白い話をするときには、ほとんどの人が自然に抑揚をつけています。
棒読みは練習で治せますか?
治せます。抑揚は、大事な言葉の強調、広めの音域、スピードの緩急、間の使い方という技術の組み合わせです。どれも短く集中した練習と録音での確認で上達します。
わざとらしくならずに抑揚をつけるには?
全体にメロディーをつけようとせず、各文でいちばん大事な一語を立て、要点の前に間を置くことから始めましょう。意味に沿った変化は自然に聞こえ、意味と関係なくつけた変化は演技っぽく聞こえます。
抑揚のない話し方は病気や発達の特性のサインですか?
多くの場合は学習された話し方の習慣で、話し方の特徴だけで何かを判断することはできません。ただ、声や表情が急に平板になった、気分の落ち込みなど新しい症状がある場合は医師に、子どもの話し方や発達が気になる場合は小児科などの専門家に相談してください。
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