滑舌を良くする方法:今日からできる8つのトレーニング
滑舌が悪く聞こえる原因の多くは、早口、口があまり開いていない、語尾が消える、声が小さいという4つの習慣です。少しだけゆっくり話し、あごの力を抜き、母音の口の形をはっきりつくり、息で声を支えて最後の一音まで言い切りましょう。1日5〜10分の滑舌トレーニングを録音して聞き返せば、数週間ではっきり違いが出ます。
滑舌が悪く聞こえる原因は?
はっきり話すとは、聞き手が身を乗り出したり聞き返したりせず、一度で言葉を受け取れる状態のことです。「滑舌が悪い」「何を言っているかわからない」と言われるとき、原因が一つだけということはまずありません。たいていは小さな習慣がいくつも重なっています。
| 習慣 | 聞き手にどう聞こえるか | すぐできる対策 |
|---|---|---|
| 早口 | 言葉がつながり、語尾が消える | 少しゆっくり話し、句点で止まる |
| あごが固く、口が開かない | ドア越しのようにこもった母音 | 「あ」で口を縦に指2本分開ける |
| 語尾を飲み込む | 「〜でs…」と文の最後が聞こえない | 「です」「ます」の直前まで声量を保つ |
| 声が小さい、尻すぼみ | 文頭は聞こえるが文末が消える | 話す前に息を吸い、最後まで支える |
| 舌と唇の動きが小さい | 子音がぼやけ、さ行やら行が甘くなる | 早口言葉とパタカラ体操 |
電話やオンライン会議では、これらがさらに目立ちます。音声の圧縮や周囲の雑音が、はっきり聞こえるために必要な細かい音を削ってしまうからです。
まずは今の滑舌をチェックする
文章を30秒音読して録音し、少し離れたところから普通の音量で聞き返してください。推測しないとわからない言葉、消えていく語尾、つながって聞こえる言葉に印をつけます。
いちばん測りやすいのは速さです。原稿を1分間読んで文字数を数えてみましょう。ニュースを読むアナウンサーで1分間に300字前後がよく目安にされ、それを大きく超えて間もほとんどないなら、速さが最大の原因かもしれません。英語で話す人は、無料の話す速さテスト(英語用)で1分あたりの単語数と間を測れます。
滑舌を良くする8つのトレーニング
1日5〜10分、毎回少なくとも一つは録音しましょう。練習中は大げさに感じても、聞き返すと「少しはっきりしたかな」程度にしか聞こえないものです。
- あごほぐし(1分)。 耳のすぐ前、あごの付け根に指先を当てます。あくびをするようにゆっくり口を開け、あごをだらんと下げたまま、その部分をやさしくもみほぐします。無意識に歯を食いしばっている人は多く、あごがゆるむと母音に響く空間ができます。
- 母音の口の形「あえいうえおあお」(2分)。 一音ずつゆっくり、口の形を大きく変えながら言います。「あ」では口が縦に指2本分ほど開くのが目安です。そのあと、普通の文を読みながら、強調したい言葉の母音だけ口を大きめに開けます。
- 割り箸トレーニング(3分)。 割り箸(またはペン)を前歯で軽く横にくわえ、相手に伝えるつもりで文章を1段落読みます。外して同じ段落をもう一度読みます。舌と唇がさっきの頑張りを覚えているので、違いがはっきり聞こえます。強く噛まず、痛みが出たら中止してください。
- 語尾の言い切り(2分)。 「〜です」「〜ました」「〜でしょうか」で終わる文を10個読み、最後の音まで声量を落とさないことだけに集中します。「す」が軽くなるのは日本語として自然ですが、その直前の「で」「し」まではしっかり聞こえるように保ちます。
- 早口言葉はゆっくりから(3分)。 まずはゆっくり正確に、すべての音がはっきりしている間だけ速くします。定番は「生麦生米生卵」「隣の客はよく柿食う客だ」「東京特許許可局」「赤巻紙青巻紙黄巻紙」「坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた」。慣れてきたら、北原白秋の「あめんぼあかいなあいうえお」や、アナウンサーや俳優が使う歌舞伎の「外郎売(ういろううり)」の口上にも挑戦してみてください。
- パタカラ体操(2分)。 「パパパパパ」「タタタタタ」「カカカカカ」「ラララララ」を各10回、次に「パタカラ」を続けて10回、少しずつ速くします。唇、舌先、舌の奥、舌の跳ね上げという、子音をつくる主な動きをまとめて鍛えられます。
- 句読点で間を取る(3分)。 読点で1拍、句点で2拍止まりながら文章を読みます。遅く感じても、一つひとつのフレーズを言い終える癖がつき、聞き手が追いつく時間もできます。同じ間を使ってフィラーを減らす方法は、「えーと」「あのー」の口癖を直す方法で紹介しています。
- 最後の言葉まで息を届ける(2分)。 お腹の低いところまでリラックスして息を吸い、長めの一文を最後の言葉まで同じ声量で読みます。文末が消えていくのは、聞き返される原因として特によくあるものです。
英語で話す人のための早口言葉
英語でも話す機会がある人は、「Red leather, yellow leather」「Unique New York」「The tip of the tongue, the teeth, the lips」「She sells seashells by the seashore」もおすすめです。同じように、ゆっくり正確に言えてから速くしましょう。
普段の会話で滑舌を保つコツ
- 相手の方を向き、顔を上げる。 手元の資料やスマホに向かって話すと、声がこもります。
- 名前、数字、専門用語はゆっくり。 「1時」と「7時」、「ついたち」と「いちにち」のように、文脈から推測しにくい言葉ほど丁寧に言います。
- 話し始めは少し大きめに。 相手は最初の一、二文であなたの声に慣れます。声量そのものを育てたい人は声を大きくする方法も参考にしてください。
- 大事な電話の前に2分のウォームアップ。 早口言葉とあごほぐしで十分です。
- マイクを見直す。 離れた場所のノートパソコン内蔵マイクは、せっかくの練習を台無しにします。口元に近いヘッドセットやイヤホンマイクを使いましょう。
はっきりした話し方は、自信のある印象にもつながります。聞き手は、明瞭で急がない話し方を有能さと結びつけるからです。ペース、間、語尾の組み合わせ方は自信のある話し方で解説しています。
どのくらいで効果が出る?
多くの人は最初の1週間で録音に違いが出ます。速さと語尾は、意識を向けるだけで変わりやすいからです。緊張した場面でも自然にはっきり話せるようになるには、短い練習を毎日続けて3〜6週間ほど見ておきましょう。
感覚に頼らず記録することが大切です。毎週同じ段落を録音し、初日の録音と比べてください。英語で話す場面がある人は、Voceris で明瞭さとペースを0〜100のスコアで追えます。Voceris は英語の話し声を分析するアプリなので、英語の会議やプレゼンの準備に向いています。
専門家に相談したほうがいいとき
この記事の練習は、日常の話し方の癖を対象にしています。特定の音がどうしても出せない、舌足らずな発音が続く、急に話しにくくなった、声がれが2〜3週間以上続く、といった場合は、言語聴覚士や耳鼻咽喉科の医師に相談してください。
よくある質問
滑舌はすぐに良くなりますか?
録音を聞き比べると、多くの人は1週間以内に違いがわかります。話す速さと語尾は、意識するだけで変わりやすいからです。緊張した場面でも自然にはっきり話せるようになるには、短い練習を毎日続けて3〜6週間ほどが目安です。
滑舌が悪い原因は何ですか?
多くは、早口、あごが固く口が小さくしか開かない、語尾を飲み込む、声が小さいという習慣の組み合わせです。一つひとつは小さな癖でも、重なると言葉の切れ目がぼやけ、電話や騒がしい場所では特に聞き取りにくくなります。
割り箸をくわえるトレーニングは効果がありますか?
割り箸を前歯で軽くくわえて音読すると、舌と唇がいつもより大きく動くようになり、外したあとの発音がはっきりしやすくなります。強く噛む必要はなく、あごや歯に痛みが出たらやめてください。
大人になってからでも滑舌は良くなりますか?
なります。日常の滑舌は、ペース、口の開き、舌と唇の動き、息の支えといった習慣の問題なので、年齢に関係なく練習で変えられます。録音して聞き返しながら続けることが大切です。
さ行やら行がどうしても言えないときは?
練習しても特定の音が出せない、舌が歯の間から出てしまう、といった場合は構音の問題の可能性があります。この記事の練習は日常の話し方の癖向けなので、言語聴覚士や耳鼻咽喉科に相談してください。
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