音域チェック:自分の声域と声種を5分で調べる方法
音域(声域)とは、安定した声で出せるいちばん低い音から高い音までの幅で、「A2〜A4」のような2つの音名か、半音やオクターブの数で表します。調べるには、軽く発声練習をしてから最低音と最高音まで声を滑らせ、無料の音域チェック、ピアノ、チューナーアプリで音名を確かめます。声種(バス、バリトン、テノール、アルト、メゾソプラノ、ソプラノ)は、両端の音だけでなく、音域がどこにあり、どこがいちばん楽に出るかで決まります。
目次 (8)
音域とは?声域・楽な音域・話し声の高さの違い
音域(声域)とは、安定した使える声で出せるいちばん低い音から高い音までの距離です。「A2〜A4」のように2つの音名で書くか、半音やオクターブの数で表します。音域は声の外側の柵のようなもので、いちばん楽に歌ったり話したりできる高さは、そのずっと内側にあります。
| 言葉 | 意味 | ある人の例 |
|---|---|---|
| 音域(声域) | 使える最低音から最高音まで | G2〜G4(24半音、2オクターブ) |
| 楽な音域(テッシトゥーラ) | いちばん響きがよく疲れにくい範囲 | おおよそC3〜D4 |
| 話し声の高さ | 普段の会話の平均の音 | 約117Hz、A♯2付近 |
音名は国際式の表記で、アルファベットとオクターブの番号を組み合わせます。ピアノの真ん中のドがC4(約261.6Hz)、そのすぐ上のラがA4(440Hz、チューニングの基準音)です。1オクターブ上がるごとに周波数は2倍になり(A2は110Hz、A3は220Hz、A4は440Hz)、1オクターブには黒鍵も含めて12の半音があります。
mid2C・hiA表記との対応表
日本のカラオケや歌の解説では、「mid2C」「hiA」のような表記がよく使われます。この表記はラ(A)でオクターブの名前が切り替わるので、国際式とは次のように対応します。
| 日本でよく使われる表記 | 国際式 | 例 |
|---|---|---|
| lowA〜lowG♯ | A1〜G♯2 | lowG=G2(約98Hz) |
| mid1A〜mid1G♯ | A2〜G♯3 | mid1A=A2(110Hz) |
| mid2A〜mid2G♯ | A3〜G♯4 | mid2C=C4(真ん中のド、約262Hz) |
| hiA〜hiG♯ | A4〜G♯5 | hiA=A4(440Hz)、hiC=C5(約523Hz) |
| hihiA〜 | A5〜 | hihiA=A5(880Hz) |
声種の目安表:クラシックの7つの声種
声種は音域の幅ではなく、音域がどの高さにあるかで決まります。下の数字はクラシックや合唱の指導で使われる典型的な目安です。資料によって1〜2音違い、訓練した歌い手はこれを超えるので、合否の基準ではなく地図として使ってください。
| 声種 | 典型的な音域 | 周波数の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| バス | E2〜E4 | 82〜330Hz | いちばん低い男声 |
| バリトン | A2〜A4 | 110〜440Hz | 男性で最も多いとよく言われる |
| テノール | C3〜C5 | 131〜523Hz | 地声で歌う男声で最も高い |
| カウンターテナー | 約G3〜E5 | 196〜659Hz | 主に裏声(ファルセット)で歌う男声 |
| コントラルト(アルト) | F3〜F5 | 175〜698Hz | いちばん低い女声。合唱では低い女声を「アルト」と呼ぶ |
| メゾソプラノ | A3〜A5 | 220〜880Hz | 真ん中の女声 |
| ソプラノ | C4〜C6 | 262〜1,047Hz | いちばん高い声種 |
どの声種も幅は約2オクターブです。話すときに使うのはそのごく一部で、大人の話し声の高さは男性でおよそ85〜155Hz、女性で165〜255Hzとよく言われます。
音域チェックのやり方
数分発声練習をしてから、最低音までゆっくり下り、最高音まで上り、その音名を音域チェック、チューナー、ピアノで確かめます。1回だけ出た極端な音ではなく、3回とも出せた音を記録しましょう。
無料の音域チェックで調べる(約5分)
Voceris の音域チェックは、ブラウザだけで使える無料のテストです。画面は英語ですが、歌う声に言葉は関係ないので、誰でもそのまま使えます。
- 発声練習(2〜3分)。 軽いリップロール、ハミング、低→高のサイレンをします。声が冷えていると上の音が数音出ないことがあります。手順は発声練習のやり方にあります。
- テストを開く。 静かな部屋で開き、マイクの使用を許可します。Bluetoothのイヤホンより、スマホやパソコン内蔵のマイクのほうが正確です。
- 最低音(Lowest note)。 「Start: lowest note」を押し、「あ」か「お」で普段の話し声の高さからゆっくり下ります。声がジリジリした音(ボーカルフライ)に変わる直前の、きれいに出るいちばん低い音を1秒ほど保ちます。ジリジリした音は数えません。
- 最高音(Highest note)。 「う」か「い」で、締めつけたり叫んだりせずに保てるいちばん高い音まで上がり、1秒ほど保ちます。
- 結果を読む。 最低音、最高音(国際式の音名)、半音とオクターブの数(Range)、当てはまる声種が英語で表示されます。Bass=バス、Baritone=バリトン、Tenor=テノール、Countertenor=カウンターテナー、Contralto(alto)=アルト、Mezzo-soprano=メゾソプラノ、Soprano=ソプラノです。音声はブラウザの中で処理され、アップロードされません。
- 3回くり返す。 毎回出せた音を自分の音域にします。
ピアノやチューナーアプリで調べる
- ピアノの真ん中のド(C4、mid2C)を見つけます。鍵盤アプリなら表示されていることが多いです。
- 「あ」で楽に出るいちばん低い音を出し、同じ音になるまで鍵盤を下へたどって記録します(例:A2)。
- いちばん高い音も同じように調べます。
- 間の鍵盤を黒鍵も含めて数えれば半音の数、12で割ればオクターブ数です。
無料のクロマチックチューナーアプリなら、歌うだけで音名が表示されます。
自分の声種はどれ?
声種は「いちばん近いもの」で、箱ではありません。音域を表と照らし合わせたら、いちばん楽に響く高さと、地声から裏声に切り替わる位置も確かめましょう。同じ音域でも声種が違うことはよくあります。
- 重なりを見る。 A2〜F4なら、バリトンに当てはまり、バスやテノールにも一部重なります。決め手は両端ではなく、楽に歌える高さです。
- 切り替わりの位置。 テノールはバリトンより高いところまで地声のまま歌えます。ソプラノとメゾソプラノも同じ関係です。
- 声の色。 暗く重い声は低めに、明るく軽い声は高めに分類されがちです。
- 急いで決めない。 練習を始めて数か月で上の音が増え、声種が一つ上がることもあります。
話し声が低いからバス、明るいからソプラノとは限りません。
音域と話し声の関係
話すときは、音域の下のほう、たいてい最低音から数半音上の狭い帯を使い、普段の会話では高さが4〜8半音ほど動く程度です。歌の音域から会議や電話での声の印象はあまりわからないので、話し声の高さは別に測りましょう。
無料の声の高さテストでは、話し声の平均の高さ(Hz)、近い音名、話すときの高さの幅がわかります。話し声が音域の底にぴったり張りついているなら、無理に下げてジリジリした声になっているかもしれません。力を抜いた「うん」よりかなり高いなら、緊張で上がっている可能性があります。無理なく自然な話し声の高さを見つける方法は声を低くする方法で解説しています。
歌の音域より話し声の印象が気になる人には、Voceris が短い録音から深み、響き、安定性など9項目をスコアにし、歌を目標にした練習も選べます。Voceris は英語の話し声を分析するアプリなので、英語で話す場面がある人に向いています。
音域を広げる練習
音域は、力まず支えのある練習で、主に上の音が少しずつ、数週間でオクターブ単位ではなく数か月で数音のペースで広がります。両端は短く軽く試し、のどを締めて音を追いかけないことが大切です。
- リップロールのサイレン(2分、6回)。 唇を震わせたまま最低音から最高音へ往復します。のどがゆるんだまま両端を探れます。
- ストローで上下(2分)。 ストローをくわえてハミングし、上下に滑らせます。軽い抵抗で高い音も低い音も押さずに出しやすくなります。
- 「ん」のグライド(1分、8回)。 「りんご」の「ん」の形で音域全体を滑ります。地声と裏声の切り替えをなめらかにする軽い練習です。
- 5音スケール(3分)。 「あ」で5音上がって下り、半音ずつ上げます。いちばん上がつらくなったら止めて、下へ戻ります。
- 上からの「う」(2分)。 高い裏声から地声へ「う」で下り、声がひっくり返る位置をなめらかにします。
話すための練習は声を鍛える方法に、どんな声も支える呼吸と響きは話し声を良くする方法にまとめています。
無理をしているサイン
のどが締まる、イガイガする、痛む、咳や咳払いが出る、終わったあと声がかれる、といった場合はすぐにやめて休みましょう。米国立聴覚・伝達障害研究所(NIDCD)は、声がかれたり疲れたりしているときは話すことや歌うことを控えるよう勧め、息の支えなしにのどから声を出すと声を傷めると注意しています(NIDCD)。
音域は日によっても変わるので、測るときは毎回同じ時間帯にしましょう。声がれが治らない、歌ったり話したりすると痛い、急に音域が狭くなった、という場合は練習の問題ではないので、耳鼻咽喉科を受診してください。
よくある質問
平均的な音域はどのくらいですか?
クラシックの声種はそれぞれ約2オクターブの幅で、これは訓練した歌い手の実用的な音域です。訓練していない大人はそれより狭いことが多く、力まない練習を続けると、主に上の音が少しずつ広がります。
バリトンかテノールかはどう見分けますか?
最高音だけでなく、いちばん楽に歌える高さを比べます。バリトンはおよそA2〜A4(mid1A〜hiA)で低めの真ん中が楽、テノールはおよそC3〜C5(mid1C〜hiC)で、裏声に切り替わる前の地声のまま、より高いところまで楽に歌えます。
音域は広げられますか?
少しずつなら広げられます。発声練習、リップロールのサイレン、スケール練習を続けると、数週間から数か月で主に上の音が数音増えることが多いです。無理に高い音や低い音を出しても音域は広がらず、声がかれる原因になります。
音域は年齢で変わりますか?
変わります。声変わりで大きく変わり、大人になってからも年齢やホルモンの変化でゆっくり変わり続けることがあります。疲れ、体調、ウォーミングアップの有無でも日によって変わります。
話し声の高さと音域は同じですか?
違います。話し声の高さは普段話すときの平均の音で、たいてい歌える音域の下端から数半音上にあります。声の高さテストで別に測れます。
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